今回は各プリンシパルキャストさんについて思ったこと。
批判無し。
見れたキャストさんだけポジティブな感想のみ。
残念ながらチケットが取れなかったキャストさんも多い。
前回のレポートとは趣向を変えて今回はキャストさんについての感想です。
エリザベート役
シシィの華やかさは花總まりさん(※2016年DVD視聴済)、
シシィの凛々しさは愛希れいかさんがそれぞれ印象的でした。
愛希れいかさん
元宝塚歌劇団の通称ちゃぴさん。
強そうなシシィ(※とても良い意味で)
少女時代のおてんばで自由気ままなシシィから、王宮へ嫁ぎ抑圧され、自由を求めて闘う皇后エリザベートへの変化がとても素敵だった。
歌声がとても安定していて聴きやすく、シシィの気持ちが歌に乗ってたくさん私の胸に刺さりまくった。
ちゃぴシシィは最初から自分の求めるものや理想像が分かってるような雰囲気。
♪私だけに♪
花總さんのシシィはここで自由を求めんとする自分自身を自覚したような感じだったが、ちゃぴシシィは自我の強調というか己の生き方を改めて主張しているように感じた。
お花様は今回チケットが取れませんでした。惨敗しました。
ちゃぴシシィと2016年花シシィとを比較すると、皇后としての気品・華やかさの花シシィ、皇后の凛々しさやエリザベートという一人の女性としての強さのちゃぴシシィという感じでどちらも好き。
2020年こそは花シシィも見たい・・・!!
黄泉の帝王 トート
古川雄大さん
昔プリンス今帝王。
全人類を虜にした黄泉の帝王(概念)。
見た感想は「もっと見たい」だった。
見た目の麗しさやしなやかな身のこなしばかりに目が行きがちだけれど、
それ以上に古川さんのトートの解釈がかな~~り好みだった。
あと歌がさらにレベルアップしておられて一体どこまで進化するんだ待ってくれよ…とマイ初日で泣いた。慈悲さえ感じさせる深くて落ち着いた低い声好き。
♪マイヤーリンク♪
古川ルドルフ2016年ではトートから拳銃を奪い取るようにしていた。
そして自分がトートになった今回はあくまで与えるだけ、
うなだれるルドルフの傍に拳銃を差し出すだけ。
役が変わっても解釈は変わらないんだなと思って泣いた。
古川さんの女性的な美が故だろうが、この場面、死に舞うルドルフにはトートがマリーヴェッツェラに見えていたんだろうなぁ…なんて思うなどした。
マリーヴェッツェラは史実でルドルフと共になくなったとされる人物です。
なんとなく全体的にウィーン版のトートっぽかった。
マテさんトートのヤツしか見たことないけど。
最後のダンスの歌いだしのリズムがウィーン版と同じっぽい。
永遠に古川トートについて話せる。
井上さんのほうはチケット取っていませんご容赦!
フランツ・ヨーゼフ
田代万里生さん
歌の包容力がガチ。
国を治める皇帝にふさわしい権力のある歌声だった。
歌声からシシィへの愛情が溢れ返っていて、あまりにもフランツの居場所の無さや愛の報われなさに胸が苦しい。
6月に一度見れただけなので結構記憶が曖昧である。
すごく理想的なフランツだったのは覚えているので円盤がほしい。
田代さんはフランツやMAフェルセンといった役が本当に似合う役者さんですよね。もうそろそろ愛情が報われてほしい。
平方元基さん
若い勢いのある皇帝
平方フランツは押しの強い声で若くエネルギーを感じるフランツだだった。
シシィが出て行ったあと、ゾフィーに意見する場面。
「義務を忘れたものは滅びてしまうのよ」のあと、黙ってグッと拳を胸に当てるの好き。
母親との決別。母親のたくらみのせいでシシィが出ていってしまった。
母親の意見はもう聞かないと反発するのは、シシィへの贖罪の気持ちただひとつだけであり、けして母親を憎んでいるとか嫌いになったとかそういうのではないこと。
自分を皇帝として育ててくれたことや助言してくれたことへの感謝と敬意がこもっていた。
ゾフィー
涼風真世さん
むかし皇后いま姑
ゾフィーという人物が大好きになったきっかけの涼風ゾフィー。
とても澄んだ、それでいて力強い歌声が最高。
ゾフィーの口癖「強く厳しく冷静に」を体現したすばらしい歌声ずっと聴いていたい。
フランツをシシィから取り返す作戦会議で、家臣たちを杖でたたくあのシーンが本当に面白くて好き。
「きれいな女なら他にもいます」の言い方に思わずクスっとする。
なんだろう、涼風ゾフィーは「母」や「皇太后」としてはもちろんのこと、一人の女性であることが強調された出で立ちなような気がする。
以前シシィを演じたことがある故のゾフィー像なのかなぁ。
ううん大好き本当に大好き涼風さん好きすぎる
香寿たつきさん
昔ルドルフ今ゾフィー。
宝塚時代にルドルフを演じた経験のあるたつきさん。
なくなる前の本音を吐露するシーンの表情が本当に切ない。
心の底から広がる苦しい気持ちが伝わってきすぎる。
涼風ゾフィーに比べてたつきゾフィーの方が優しそうというか、人の暖かさが強めだなと思った。人の温かさ故の厳しさだった、気がする。どちらも良い…。
涼風さんが女性としてのゾフィーだとしたら、たつきさんは紛うことなく、皇帝の母としてのゾフィーだったと思う。
剣幸さん
貫禄と威厳が凄い。
そこに居るだけで王宮ただ一人の漢のオーラが凄い。
どの役者さんも皆さん演技や歌が上手くて見ていて安心するし、感動するのだけれど、剣ゾフィーはその中でも群を抜いていたように思う。
なにより、歌に乗せた感情表現がとっても素敵で、かつ、ゾフィーという人物像と整合性が取れている。
「強く厳しく冷静に」のフレーズで、「冷静に」だけ声を潜め囁く様に歌うのがかっこいい。
歌声に乗せたお芝居が素敵過ぎて泣いた。
ゾフィー死ぬところ、トリプルキャストの中で一番号泣して多分変な声漏れてた。
ゾフィーのなくなるシーンの「あなたの国は滅びてしまう」という歌詞がしんどい。
この1フレーズで、ゾフィーは寡婦として徹しており、
「皇帝には妻も母もないのです」という言葉や、
「義務を忘れたものは滅びてしまうのよ」という厳しい言葉の真意が集約している。
ゾフィーは本当に心の底からフランツのことを愛していたし、それと同じくらいハプスブルクを大切にしていた。
唯一のおとこと言われるほどに厳しく接し、「この手ひとつで息子を育てたわ」というからには、きっと己の中に誇りや誇示したいほどの大きな感情があったはず。
それでも、「あなたの国」と言った。
「私たちの国」「ハプスブルク家」「君主制」など、他にも選び得る言葉はあったのに、ゾフィーは「フランツの国」と言うんですよ…。
ここに、あまりにも優しすぎる皇帝の母親としての愛があるように思いました。
フランツには厳しく「義務を忘れたものは滅びてしまう」と律する厳しい言葉を掛けておきながら、内心ではフランツを思いやっていた。この二つの言葉が正しく「皇帝に妻も母もないのです」の答えあわせなんだなぁ、と。
ルドルフ
京本大我くん
さすがの安定感!!
2016年に映像化されなかったことを惜しむ声をたくさん聞いたのですごく楽しみにしていました。
まず♪我ら息絶えし者共♪の「ママと僕は似ている」を聴いた瞬間(歌うっめ~~~~~)ってひっくりかえりました。
古川トートと歌も解釈も相性が良すぎたと思います。
マイヤーリンクでのダンスもきれっきれでかっこよかった。
古川トートがしなやかに舞う様に踊りと、京本ルドルフの内側から溢れる激情を纏ったダンスは正反対で見ごたえがありました。
(※2019年12月追記:マイヤーリンクの京本ルドルフ、よくよく考えていると「必至に死の誘いから抗おうとしている」という解釈に行き着きました。
反対に2016古川ルドルフの踊りについては「死の波に漂い滅びの歌に身をゆだねている。既に魂は身体を離れたがっている」ような雰囲気を感じています。)
銃で撃つ前のあの安らかな表情は、本当にすべてのしがらみから解放されたようでした。
木村達成くん
将来絶対ビッグスターになる(確信)
たつなりくんを初めて見たのがロミジュリのベンヴォーリオで、今回ルドルフで二度目。
彼はこういう雰囲気の青年が本当に良く似合う。
歌がちょびっとつらそうに感じた部分が数瞬ありましたが、歌による感情表現はぴかいちだと思いました。
特にトートと歌う♪闇が広がる(リプライズ)♪、
トートに「王座に座るんだ」に対して、ハッとしたように強い語気で
「王座…!!!」と歌っていたところがグッときました。
ルイジ・ルキーニ
成河さん
最高の狂言回し。
台詞回しが本当に上手すぎて聞き入ってしまう。声が好き。
サーカスのピエロのような滑稽な狂気の演技が素晴らしかった。
歌も素敵。
良いなとおもったところは、シシィの悲鳴に被せて大絶叫の如く笑い声を上げるシーン。たぶんキッチュリプライズ。
三回観劇中三回とも全部成河さんのルキーニでした。ううんもっと聞きたかったけど2020年は出ないのですね・・・残念・・・
リヒテンシュタイン(女官長)
秋園美緒さん
実は大大大好きな役者さん。
リヒテンシュタインは永遠に秋園さんがいいなと思う。それくらい大好き。
ゾフィーと同じく厳しいのだけれど、シシィを気遣って心配したり、親身になってくれる優しさも感じられる。
一幕皇后の務めでゾフィーに厳しく叱られるシシィをなだめ諭すように歌うのが好き。♪ミルク♪のあとのメイドさんたちのうやりとり可愛い。可愛いしか言えない。
「毎日最低三時間の器械体操に励み、体型を維持しておられるのです」の時の誇らしげな笑顔見ました?かわいい。
そして歌声も澄んでいて抜群の透明感と歌唱力。耳が幸せになる。
おわりに
2018年の秋頃にはじめてミュージカルに興味をもってから初めて見たのが2016年版エリザベートのDVDでした。
まだしばらく再演はないだろう、
好きなキャストさんはまたルドルフを演じるのかな、
なんていろいろ考えていたところなんと2019年に再演するよと。
ルドルフは流石に卒業されてましたが、なんとトート閣下役に大抜擢ということで楽しみで仕方なかった2019年の夏でした。
2020年も続投とのことなのでなんとしてでもチケット、とらねば。
楽しみ。
それでは!
これは公式サイト